薄倖の詩人などともいわれますが、
数多くの友人、文学仲間がいました。
なかでも、岩手県同郷の言語学者金田一京助、
札幌・小樽時代の同僚野口雨情、
物心両面で啄木一家を支え続けた宮崎郁雨
の3人は、特筆される啄木の友人です。
啄木の妻節子は相思相愛、熱愛の末結ばれたのですが、
啄木研究者の間では、節子が宮崎郁雨と不倫の関係にあったという説があるのです。
「節子の晩節問題」というのですが、
「晩節」ということば、あまり聞きなれないんだけど、辞書を引いてみたら、ちゃんと載っていました。晩年の節操という意味だそうです。
宮崎郁雨は函館の文芸同人「苜蓿社」(ぼくしゅくしゃ)の仲間で、啄木の北海道放浪中はもとより、啄木が東京に出るときは啄木の妻子を預かり、東京の啄木にも経済的な援助を惜しみませんでした。
啄木一家が東京に移り住むときも、郁雨が同行しています。
郁雨は啄木の妻節子の妹と結婚し、啄木とは義兄弟の関係になります。
ところが、啄木の死の直前ごろは、啄木と郁雨は義絶状態になっています。
義絶状態になったことは事実なのですが、果して、その理由はなぜだったのか?
啄木の妹「光子」が後に発表した啄木に関する著述や発言で
「郁雨と節子は不倫関係だった」と述べているんですね。
啄木も妻節子もすでに歿後のことですが、啄木研究者の間では、妹が言っていることだから間違いないだろうということになっているのですが、
GGは、ほんとかな? と長い間疑問を感じていました。
その疑問が、この本を読んだらみごとに氷解しましたよ。
石川啄木の友人
【目次】
京助哀歌
陰謀捏造の名人―それでも嘘は暴かれる
啄木と郁雨―義絶の真相
著者の「西脇巽」さん、啄木に関する本を7冊も出しているんだけど、本職は「精神科医」
精神科医ならではの人物分析もおもしろいし、
大胆な推測をし、それを裏付ける資料を徹底的に集め、論考する。
何よりも、啄木に対する思い入れが強烈、
しかし、身びいきばかりじゃない。
数々の通説に対して、真っ向から反論し、自説を展開する、
議論を吹っかけるのがお好きのようです。
金田一京助の人物像や生い立ちの背景も興味深い記事だし、
野口雨情が書いている啄木に関する記事にウソが多いと感じていたんだけど、そのワケも的確に分析してくれています。
石川啄木に興味がある方へお勧めの本です。
こちらは石川啄木に興味がある方へおすすめのサイト
石川啄木 漂泊の詩人
啄木の作品紹介、歌にまつわる思いや啄木歌碑の紹介
石川啄木 啄木日記
啄木が遺した日記






